美しい〜!



『女王蜂』
原作/横溝正史  脚本/佐藤嗣麻子  監督/星 護
【キャスト】
金田一耕助 : 稲垣吾郎
横溝正史  : 小日向文世
大道寺智子 : 栗山 千明
(琴絵) 
神尾秀子  : 手塚 理美
大道寺欣造 : 石橋 凌
九十九龍馬 : 杉本 哲太
多門連太郎 : 及川 光博
橘 署長  : 塩見 三省
衣笠宮智仁 : 高橋 昌也
(九鬼) 
        (敬称略)


※まだ原作を読んでいない上での感想です


今回はあまりおドロおドロしくなくて、コミカルな部分にほっこり和む、
正月らしい華やかで美しい映像で彩られた作品だったように思います。
「犬神」や「八つ墓村」とは雰囲気が違いますね。娯楽性が高い。
2時間以上ありましたが、美しい映像と音楽、カメラワークなどの演出、
個性的な出演者の皆さんのおかげで、最後まで飽きることなく、
画面に釘付け状態で見入っておりましたよ。
時計台とかのセットも映画並みで凄かったなぁ。
3作目にして吾郎がすっかり金田一に馴染んでいたようにも思います。
こっちも見慣れた、というのもあるのかもしれませんが。
どうにも気になっていた、どもりながらの言い回しとか、動きとか
前よりもグっと良くなってましたし、違和感を感じませんでした。
横溝先生や橘署長とのやり取りを見ると和みますわ。
稲垣版金田一のお約束事、みたいな物が生まれつつあるのも楽しいです。
必ず本を配るとか、何故かその地へ移動になってる橘署長とか(笑)


今回も原作を読まずに見ました。
面白かった♪のですが、惜しかったと思った部分を。
真っ白な頭で見た感想としては、物語的にはちょっと説明不足だったり
描き足りない部分があったように思います。
リアルタイムで見ている時は、深くは考えずに見ていて気にしなかった
・・・というか、映像美と雰囲気と、
なんと言っても金田一さんの表情一つ一つに「きゃぁ〜」だったので
そこまで頭が回らなかったというか(笑)そんな状態だったのですが、
編集しつつ見返していて、ちょっとそんな事を感じました。
見ている側がまったく犯人に気づかないようにする為かもしれませんが、
欣造さんの、琴絵さんへの執着→智子への歪んだ愛、という感情が
ピンときませんでした。説明されて、あぁそうだったの、みたいな。
智子と再会した時の表情とか、そういえば、というのはありますが、
人を殺すまでの愛情という炎をもう少し匂わせても・・・。
金田一に過去の話をしてる時の声も淡々とし過ぎて、
抑えきれない感情がチラっと顔を覗かせても、なんて思ったりしました。
神尾先生の欣造さんへの思いもしかり。
凄く切なく悲しい人なんですけど、最後の展開が唐突過ぎて
あと、神尾先生の赤い毛糸の中に何かが隠されているってことを
金田一はどうして気づいたのか?とか。ま、それに関しては
原作に謎解きがあるようですが。


とまぁ、小うるさい事はそのくらいで。吾郎的ポイントをば。
ってか、吾郎出演部分は全て萌えです!可愛い!の連発でっす(崩壊)
月琴島の地図を見上げる耕さん、瞳キラキラの可愛らしい表情に萌え
楽しみにしてた温泉!・・・秒殺!くぅっ。
露天では帽子あり、出たら帽子とるという、金田一さんの謎の行動が憎い
探偵と作家コンビの、声を揃えて「うつくしぃ〜」が可愛い可愛い!
が、金田一君は秀子さんの方だったとは!
屋根の上の金田一さん、マントが長いよ(笑)これももぅお約束っすねv
欣造に「八つ墓村」の本を差し出して、ポイと脇に置かれて
プチショック状態で見つめている金田一もツボ!可愛いね
喫煙室で盗み聞きしてた形になっちゃった金田一さん。一体そこで何を?
奥の席からひょっこり出てきて可愛いのなんのv
多門おっかけて奈落へどぼん。落ち方まで可愛らしい♪
署長さんの華麗なジャンプも素敵(笑)
一座の人に「コウモリ」の事を聞いてる時、マントを羽みたいに
バッサバサしてて可愛かった。梯子を上りきる前に下りる羽目になった
特に意味のない動きもツボ(笑)
九鬼@衣笠宮様と廊下で対面するところ、黒目クリクリで可愛いんですけど!
衣笠宮様と金田一の場面好きです。金田一の謎解きの真剣な表情も、
「笑」で共演した高橋さんの高貴な雰囲気が素敵。
神尾先生のロケットペンダントを見るアップ、寄り目も可愛かった
開かずの間での緊迫した雰囲気、当時の状況を解き明かす金田一
めっちゃ引き込まれました。良かったなぁ。
それと、欣造さんを見る笑顔の日下部さんがホラーで怖かった
神尾先生のペンダントと手紙を見て、その想いを知った金田一
深いため息とやり切れない雰囲気にグっときました。
漁船の上から手紙を破って捨てる場面も、言葉は無いですけど
切ない気持ちが漂ってて好きな場面です。
夕日の中の金田一も素敵!最後の最後まで映像も吾郎も美しい〜。


何人も亡くなり、神尾先生の切ない死もあったけど
最後はハッピーエンドでほんわり幸せ色で、いい終わり方でした。
そしてミッチー美味しいとこ取り!(笑)
いやぁ最後に再登場の多門、精悍な感じでかっこ良かったです。
白タキシードも白スーツも良かったです。何気にミッチーも衣装多しv
エンドロールも毎回凝ってて素晴らしい!映画のようだよなー。
金田一、マントをバサバサ鳥みたいにしてて、最後にサービス?(笑)
「全ての謎は月琴島にあります」等など、時にキリっと、
時に黒目クリクリで可愛らしい吾郎さんの表情に萌えまくりつつ、
星監督拘りの映像美と、ストーリー展開に引き込まれた2時間半でした。
次回4作目も期待してます!